野分に頭を撫でられる度に、自分は子供と同じ扱いなのでは?と感じることがある。
嫌いではないし、寧ろ好きなのだが、やはり可愛いと言われつつ撫でられるのには違和感を憶える。

その夜、トイレに行こうとして部屋のドアノブに手を掛け、リビングに人がいることに気付いた。
(野分か…?)
「――そうなんですよ、もうかわいくてかわいくて」
何の話だろうか。弘樹は耳を済ます。
「撫でると喜ぶんです。――え?そりゃあ、顔に出ますし分かりますよ」
(……俺の話か…?って、顔に出てたのか…ッ)
一人で悶々としていると、

「子供みたいですよ」

弘樹は疑問から確信へ変わった。
勘違いだといいんだけど。
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